アニメ感想 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

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第1話

原作小説は全巻読んでおり、今読んでいるラノベの中でも特に好きなもののひとつ。

それだけに、アニメ化に当たってガッカリなものになったらどうしようという不安もあったのだが(サクラダリセットみたいに…)、今回は全く問題なし。

結構ゆっくりめで進行しており、いくらかセリフの省略や状況の変更はあるが、概ね原作通り。省略といってもきれいに均してあるので、話がわからなくなったり違和感を覚えたりすることはないだろう。 一点、理央との会話シーンだけは、原作ではもっと長く、後のエピソードにもつながる話をそれなりにしていたのだが、このあたりは当該エピソードになったときにどうせわかることだからということなのか。

第2話

美人の先輩とお買い物デート、青春だな〜。

母親にさえ認識されなくなり、それどころか記憶から消えてまでいるというのは、かなりショックだな。一方で咲太は麻衣のことをちゃんと認識できており、何ができるわけではないけど寄り添っている。いいやつだな〜。

シュレディンガーの猫箱の話はこの手の作品でよく引き合いに出されるが、得てして2つの状態が同時に存在するとかそれが観測により確定するという話に使われる。 しかし、この話の本質はそこではなく、ミクロの世界ではあり得るそのような現象を、マクロの世界に持ち込んで考えた際の矛盾の説明として使われるのが正しい(はず)。

咲太のただ2人の友人達は頼りがいがあるね。あんな時間に電話してきて、しかも意味不明な頼みとか、怒るのが普通だろう。それだけ、咲太のことを信用してくれているということか。

エンディングは麻衣のソロバージョン。今後、ヒロインごとにソロになるのかな。

第3話

昨夜まで麻衣さんのことを覚えていた国見が翌日には忘れており、寝なかった咲太と双葉だけが覚えているということに。麻衣さんを忘れないために必死で寝るまいと頑張る咲太だったが、もう見ていられないと咲太に睡眠薬を盛る麻衣さん。ツラい…。

最後の夜に麻衣さんに教えてもらった漢字の問題が試験に出て、それをきっかけに思い出すという、ベタだけど感動の展開。それはいいのだが、原作ではいろんなシーンから少しずつ違和感を覚えたり物足りなさを感じたりし、最後に漢字の問題で思い出すという流れだったので、それが尺の都合で省かれたのは残念。 まぁ、アニメだけ見ているのならそれほど文句は出ないだろうけど。

さて、次回からはヒロインの2人目、プチデビル後輩。どのように描かれるのか、楽しみである。

第4話

オープニングのタイトル表記がプチデビルに変わるかと思っていたけど、そのままだった。

せっかく麻衣さんと付き合えるようになったのに、時間が戻ったせいでやり直しになり、その挙げ句に同じ状況を再現できずお付き合いが遠のくことに…。哀れなり。

それにしても、麻衣さんがメチャクチャかわいい。1ヵ月目の告白に対して連れない態度を取ったのに対し、咲太があっさり諦めたふりをして焦るところとか、改めて告白を受け入れるところとか。(まぁ、なかったことになっちゃったけど)

時間巻戻りの原因たる朋絵もかわいい。見た目というより、アホかわいい的な意味で。

自覚がないとはいえ、うまくいくまで何度でもやり直せるって、最強じゃなかろうか。咲太も言っていたとおり、根本的な解決にはなってないけど。

尺の都合で一部のエピソードが削られているが、その中でやや気になったのが、サッカー日本代表の試合結果。原作では3度目の体験で結果が変わっており、それがちょっとしたポイントになっていたので、これは残しておいて欲しかったな。

ラストはパンツ一丁で玄関に出て麻衣さんを出迎える咲太の図。なんでここで切った(笑)。

第5話

冒頭からパンツ一丁で正座して麻衣さんに怒られる咲太、うらやましい気の毒である。

麻衣さんに事情を説明し、朋絵と嘘の恋人を演じることになったが、「本気にならなければいいけど」という麻衣さんが慧眼。咲太の優しさは、触れたら何も感じずにはいられないだろう。

今回の思春期症候群の直接的な原因であるバスケ部先輩が、咲太と朋絵の関係を妬み、朋絵がビッチだというあらぬ噂を立てる…どうしようもないクズだな。

この先輩は最終的に咲太がギャフンと言わせて恥をかき、ざまあ見ろという流れだったのだが、噂が流れている間、肝心の朋絵がグループのメンバーから距離を置かれていたというのが…。 そして誤解が解けたら、あっさり復帰。アニメではこのグループに関するカットがかなり削られており、原作ではLINEで「ごめん、どうかしてた」と謝罪が来ていたのだが、それが描かれなかったため、やや扱いが軽くなった感じ。 まぁ、アニメは尺の都合もあるし、グループの方よりも咲太と朋絵の関係性に重点を置いているのだろう。

ラストは、朋絵が麻衣さんの出ているCMを見て憂鬱な表情を見せるところ。咲太の視点でしか描かれない原作ではこのシーンはないのだが、後でこのことをうかがわせる描写はあるし、アニメではよりわかりやすくしたということだろう。これはこれでいい。

第6話

朋絵との嘘の恋人が終了する、夏休み前最後の日が訪れる。嘘なんだから終わらせなくちゃいけない。しかし…。

理屈ではわかっていても心が受け入れず、うまくいくまでやり直そうとしても、想いは繰り返した数だけ積み重なっていく。「100回繰り返しても?」と聞いてくる朋絵が切ない…。

うまくやる必要なんてない、自分を認めて正直になれという咲太の言葉で想いが溢れた朋絵だったが、咲太だってこれを言うのは相当キツかったはず。 国見も言っていたが、自分のことを好いてくれているとわかっている相手に、どうあっても応えられないのにその気持ちを認めろというのは…。

ラストには全てが最初のループの当日に戻り、この数週間が壮大なシミュレーションであったことが判明。朋絵は嘘をつくことをやめ、グループのリーダーが好きな先輩からの告白を断り、グループを追い出されてしまう。 しかし、約束通り咲太が友人としているし、シミュレーションの中でストラップを探すのを手伝ってあげた子のグループに入れた様子。朋絵の頑張りに拍手。

ところで、原作では朋絵との買い物シーンで、水着売り場にいたナイスバディのお姉さんが単なるモブではなく、原作者の前作さくら荘のペットな彼女のリタだった。 せっかくなんだし、登場させれば良かったのに。

第7話

ロジカルウィッチ編の開始。今回のメインは理央。

理央がもう一人ということで、一見するとドッペルゲンガーだが、理央を理央たらしめている理央の人格が分裂し、それが原因という、非常に難しい話。

片方の理央は咲太の家で世話になることになったが、こちらはもう一方を「偽物」と呼び、原因に心当たりはないと言うが、もう一方は心当たりがあり、心当たりがないというのは嘘だと言う。 分裂した人格は完全には同一じゃないということで、その差異が分裂の原因につながるかという感じ。

平行して、前回のラストで登場した牧之原翔子の話も少しずつ入ってくる。メインとなるのは劇場版だが、原作でもこうしてエピソードが重ねられているし。シャワー事件のシーンが削られたのはちょい残念。

第8話

理央が裏垢でエロ画像を投稿していることが判明。投稿に対してリアクションがあることで、周囲とのつながりや自分の存在を確認できるというようなことなんだろうけど、そんなことをしている自分に対して嫌悪感も持っている。 そうして、行為をやめられない人格と、それを認めたくない人格が分裂につながったということらしい。

しかし、制服で撮っていたため学校を特定され、かなりヤバいやつに絡まれそうに。まぁ、そうだよな…。もっとも、これがきっかけで行為をやめられたわけだが。

具体的な理由も言ってないのに、「双葉がピンチ」だけで約束通り飛んでくる国見がイケメンすぎる。まぁ、咲太もひねくれてはいるが行動は十分イケメンなんだけどね。

裏垢を継続していた方の理央と咲太、国見で、花火大会に行くことを約束。そしてもう一方の理央にそのことを伝え、「私も行きたい」と2人の理央の思いが一致し、分裂は解消。 そして花火大会の当日、理央は国見に想いを伝え、モヤモヤとしていた状態にけりをつける。頑張ったな〜。

今回は原作1巻分をアニメ2話で収めたため、バニーガール編、プチデビル編と比べてもカットされた描写が多め。 理央の行為に対して咲太がアナウンサーの南条文香に相談しているシーンや、2回目のネズミの鳴き声のシーン、翔子がしばらく来られなくなった件、テレビのワイドショーでさくら荘のペットな彼女のキャラが登場しているシーンなど。特に翔子の話は、今後にもつながる重要なものだったのだが、今回はあくまで理央がメインで、翔子の話は劇場版で改めてということなのだろうか。

第9話

シスコンアイドル編スタート。

麻衣さんと腹違いの妹であるのどかが登場。もっとも、はなっから中身が麻衣さんと入れ替わっているため、正味ののどかは未登場とも言えるが。

出来の良すぎる姉を持ち、同じ業界で活動しているのどかとしては憧れであると同時にプレッシャー。特に自分の母親が麻衣の母親をライバル視して娘を代理戦争のコマに使っているような状態だから、常に麻衣と比較される。これは辛い。

一方で、麻衣さんから見れば、のどかは自分と母親を裏切った父親が余所の女に産ませた子どもという形になるので、思うところはある。難しい姉妹…の一言で片付けられる問題ではないが、やっぱり難しい姉妹だ。

2人は互いに対する不満をぶつけて気まずくなってしまったが、なんだかんだ言っても相手のことを大切に思っている様子が伝わってくる。 直接ではないにせよ「のどか」「お姉ちゃん」という呼び方のままだし、互いの仕事もきっちりこなそうと努力している。

「絶対に開けるな」と麻衣さん(in のどか)に言われていたタンスの中身は…。まぁ、この場合は「開けろ」という意味だよね。

さて、ちょっと気になるのが作画。前回にもあったが、遠近感や立体感がおかしな描写が見受けられる。それに、人物の動作でもコマ数不足で瞬間移動したように見えるところも。円盤では修正されているといいのだが。

第10話

麻衣さんがのどか以上にアイドルをうまくやってしまったため、自信を取り戻しかけていたのどかがまた落ち込んでしまい…。麻衣さんって不器用なんだよね…。

私なんかいらないと自暴自棄になったのどかだったが、「絶対に見るな」と言われていた麻衣さんの宝物を見せられ、麻衣さんが自分のことを大切に思ってくれていたことに気付く。 それでも、自分が必死になっていることを軽々とこなしてしまう麻衣さんに対しては思うことがあったようだが、それも母親に言われてやっているだけで自分で決めたことではなかったことに気付き、これはからは自分が選んだことで母親を喜ばせればいいと。麻衣さん、いいお姉さんだな〜。

2人が元に戻った瞬間は「おぉ!?」という感じ。体が入れ替わっていたのではなく、あくまで見た目が入れ替わっていただけだったという、なんともわかりにくい現象だった。

ラストはのどかがまた母親と喧嘩して、今度は本格的に麻衣さんの家に引っ越し。そして咲太と麻衣さんとのイチャイチャは…。ただ、のどかの「お姉ちゃんが好きになった理由がわかった」って、理由がわかるということは…ねぇ?

尺が短いながらもうまく構成してはいるが、やはり原作を知っていると、セリフの端折りがやや気になる。今回は削除されたシーンがあまりなかった代わりに、セリフが間引きされていた感じ。

第11話

お留守番妹編スタート。

もう感動と涙なしには語れないエピソード。今回もちょっとうるっときたけど、最終話は泣かずにいられる自信がない…。

今回の話で、他の巻と比べてもページ数多めの原作を半分近く消化した。その分、端折られたエピソードは多めなのだが、これは終盤での尺を確保するためだろうか。 進路の話や文化祭関連のエピソードがごっそり削られていたが、代わりに原作ではシスコンアイドル編で出ていてアニメでは削られたと思っていた「さんのーがーはいっ」が出てきてちょっと嬉しい(笑)。

そしてラストには衝撃の事実が…。まぁ、伏線は張られていたのだが、はっきりそうとわかるような描かれ方はしていないし、アニメだけ見ていたら気付くのはほぼ不可能かな。それだけに、インパクトは大きいだろうし、演出としても非常によく出来ている。

第12話

あれ、あと1話残ってるのに、原作のラスト近くまで行っちゃったぞ?

花楓がかえでになった経緯と、かえでの頑張る姿が描かれる。しかし、頑張ろうとする理由がツラい…。

最終的には咲太のおかげで全ての目標に丸をつけられたけど、その後に待っていたのは…。次回の最終話であれを読み上げられると思ったら、今から涙が…。

第13話(最終話)

ついにかえでの日記シーン。もう涙が止まらない…。Aパートはかなりの時間をこれに割いていたが、最重要シーンだし、他で時間を削ってでもここに回したのは英断。

翔子さん(大)からの麻衣さん不機嫌モードは、原作とは異なる構成。このあたりは劇場版との絡みもあるのだろう。そもそも、このあたりは原作だと劇場版エピソードの「ゆめみる少女」に載っている部分だし。

さて、これでこの作品も最終話。今期やっていた中では文句なしに一番。やはり原作がいいのもあるが、尺が不足気味な中でも上手く表現した脚本が良かったのだろう。劇場版も期待!

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